今ちょうど教室では、発表会の選曲を進めている時期です。
もう曲が決まって練習を始めている子もいれば、まだどんな曲にするか迷っている子もいます。
そんな中で、
「この曲弾きたい!」
と、今流行りのポップスの曲を希望する子が増えてきました。
YouTubeなどでピアノ演奏を見る機会も増えていますし、今の時代ならではなのかなと思っています。
ただ正直なところ、ピアノの先生としては
「うーん…これはどうかな…」
と少し考えてしまうこともあります。
今日はその理由について、少し書いてみたいと思います。
ポップスが無理なく弾ける目安
まず結論から言うと、ポップスが楽譜から無理なく弾ける目安は
【ブルグミュラー〜ソナチネくらい】
と言われることが多いです。
これは私個人の感覚というより、全国のピアノの先生の間でもよく言われている一つの目安です。
もちろん個人差はありますが、
・楽譜を読む力
・リズムの理解
・指のコントロール
このあたりが育ってくると、ポップスにも挑戦しやすくなってきます。
ポップスは思っている以上に難しい
ポップスといっても、ゆったりしたバラード系の曲もありますし、最近はアップテンポでノリの良い曲もとても多いですよね。
歌うとカッコいいですが、ピアノで弾くとなると、なかなか大変なのが現実💦
まず、リズムの理解が難しいことがあります。
例えば、細かいリズムやシンコペーションがたくさん出てきたり、小節をまたぐタイが続いたりすることもよくあります。
リズムだけでも大変なのに、そこに右手と左手を合わせて弾くとなると、さらに難しくなります。
左手もただ拍を刻むだけではなく、裏拍で右手とずれて入ったりすることもあり、ビート感がとても大切になります。
ポップスでは、弾けるところだけ速くなり、弾けないところで急にゆっくりになってしまう…という弾き方は通用しません😅
一定のビート感を保ちながら演奏する力が必要になるため、子どもにとっては意外とハードルが高いと感じています。
そして、パッと見ただけで難しく感じてしまう壁が、調号(シャープやフラット)の多さです。
ポップスの楽譜を見ると
・♭が4つ
・♭が5つ
・♯が4つ
ということも珍しくありません。
そこでよく聞くのが
「今やっている教本の調号は何個ですか?」
ということです。
もし今
・調号1つ
・調号2つ
で少し戸惑っている段階だとすると、調号が増えただけで
「難しそう…😵」
と感じてしまう子も多いです。
今の自分の力と曲のレベルの差を感じる瞬間ですね。
多くの場合、あとから誰かが「ピアノ用にアレンジした楽譜」になっています。
ですから、ピアノとして弾きやすい形になっていないこともよくあります。
日頃から
・指番号もしっかり見て弾く
・すぐに投げ出さずに、自分の力で考えて楽譜を読み取る
という力が必要になってきますね。
ただ、ポップスの良い点は、
・入門
・初級
・中級
・上級
といったレベル別アレンジがあることが多いことです。
初心者向けにハ長調にアレンジされていたり、弾きやすく作られている楽譜も探せば見つかる場合があります。
ですが、耳の良い子の場合は
「なんか違う❓」
「これじゃない〜❗️」
と感じてしまうこともあります。
やっぱり、自分が聞いていた原曲キーのイメージがあるのだと思います。
レッスンでよくあるのが、先生が説明している途中で
「わかったわかった!」
と言って、弾き始めてしまうことです。
ポップスに限らず、ピアノ上達のためには
まず「先生の話を最後まで聞く」
そして「やってみる」
この流れがとても大切です。
家でレッスンの内容を思い出して練習してみる。
わからなくなったら、まず自分なりに考えてみる。
それでもわからなかったら、次のレッスンで先生に聞いてみる。
この流れができるようになると、いろいろな憧れの曲にも挑戦しやすくなります。
実際に、今の実力より少し難しいポップスの曲を弾きたいと言われたとき、先生は日頃のレッスンの様子を参考にしながら考えます。
・普段のレッスンへの取り組み方
・少し難しいことにも挑戦してみようとする気持ち
そういった姿勢も大切なポイントになります。
これを聞くと、ちょっと「ドキッ」としますよね💦
ピアノは、続けていればできることが少しずつ増えていきます。
今は難しかった曲も、数年後に
「あ、これ弾けるかも!」
となることもよくあります。
だからこそ、今取り組んでいる教本の曲を大切にしながら、少しずつ積み重ねていくことが、結果として「弾きたい曲に一番近づく道」なのかなと思っています。
当教室では、弾きたいポップスの曲があれば、できる限り応援します。
ただ、今のその子のレベルではまだ難しいと感じる場合には、正直に「もう少し土台(基礎)ができてから」とお伝えさせていただくこともあります。
また、発表会ではポップスだけで参加するのではなく、クラシック(近現代を含む)の曲と組み合わせて出演していただいています。
曲の偏りがないよう、総合的な学びの中でピアノの上達を目指してほしいという私の願いからです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。🌸